5月になると思い出す嫌な思い出 −職場いじめの話−

2023/4/30(日)
この時期になると、5年ほど前に働いていた会社で軽いいじめに遭っていたことを思い出します。
大した内容では無いのですが、なぜ思い出してしまうのかを自分なりに見つける事ができたので書き留めました。
嫌がらせが原因で1年で退職
入社して間もない頃はなんの問題もなく過ごしていたのですが、
1年ほど経った頃、総務課の課長と一人の社員から嫌がらせをされるようになりました。
毎朝の挨拶の無視からはじまり、聞こえるか聞こえないかの声量で悪口を言われるようになって1ヶ月ほど経ったある給料日のことです。
当時働いていた会社はお給料を手渡しでもらうのですが、(たった5年前ですよ、信じられないですよね)
その日はなぜか私だけもらえなかったのです。
他の人は順番に呼ばれ、お給料をもらっているのに、私だけ呼ばれず…
何か手違いがあったのかも…と思い、待ってみるも退勤時間になっても呼ばれず…。
嫌がらせがここまでエスカレートしたのかと思い、
労働基準監督署へ送る通報メールの準備しはじめたら、
何かを察知したのか当時の課長がニヤニヤしながらデスクにやってきて、「ごめーん、忘れてたー」と言って給料袋を渡してきました。
総務課長が社員に給料を渡し忘れるとかあるんだ…、と思いながら、
ひとことお礼を言い給料袋を受け取りました。
私に嫌がらせをしていた課長は、最初は人として素敵だと思うところや尊敬している部分もあったので、ショックは大きかったです。
給料をもらえなかった事以外にも、使っていたマグカップを隠されたり、大声で聞こえるように悪口を言われたり、職場いじめのテンプレみたいなことをされていました。
(マグカップは会社の備品で、私が勝手に使っていた物なのですが)
辞める1ヶ月前は、例の社員2人と顔を合わせると吐き気で仕事にならないので、誰もいなくなった夜に出社させてもらい、
後任の担当者への引き継ぎ業務を行い、入社後1年で退職しました。
退職日がゴールデンウィーク明けで最悪の気分で連休を過ごしたのは良い思い出です。
イジメられた原因
当時はやる気に満ち溢れており、その業務にあたる担当者が自分しか居なかったということもあり、非効率だと感じるやり方をどんどん変え、結果も上々でした。
課長との関係も悪くは無く、実際に褒めてもらえることもあったので、
多少評価してもらえているのだと思っていたのですが、それが勘違いだったのです。
その会社は古い体質で社長の気性も荒く、1日に1回は怒鳴り声が聞こえてくるような職場でした。
社長の制御は、社長と付き合いの長い、総務課長にしかできない部分があるようで、
信頼できる人にしか任せられないのか、業務が極端に課長に集中している状態でした。
頻繁に行われる接待に同行し、多すぎる業務量で毎日残業、そして毎朝15分から20分程度遅刻して出社。
疲労困憊で働く課長を見て、もう少しなんとかならないのかと
「課長の抱える業務を少し他の方に振っても良いんじゃないですか?」
と何の気なしに言ったのが全ての始まりでした。
入社当初から度々挨拶は無視されていたのですが、それが気のせいでは無いという事がわかりました。
翌日から総務課の一部の社員の睨みつけられるような視線には遠慮が無くなり、挨拶しても露骨に無視。
余程仕事が増えてしまったのか、原因は全て私 というような雰囲気になり、(総務課とは一切話していないので詳しい原因は知りませんが)
嫌がらせが日に日にエスカレートしていく…という流れになったのです。
いじめや嫌がらせで悩んでいる人の中に、いじめかどうかの判断が周りからでは難しい、「受動攻撃」という方法で追い詰められる人が多いようですが、最初はそんな感じでした。
たまに挨拶を無視したり、相手が気付くか気付かないか微妙なラインの嫌がらせを繰り返し、たまーにフレンドリーに話しかけて相手を混乱させ、
相手が安心しきったところでまた冷遇する。
これを繰り返すと、やられた相手は疑心暗鬼になり周囲から孤立。
従順ないじめ被害者が出来上がるのだそうです。
思い出してしまう理由
過去の嫌なことを思い出す原因のひとつに
自分が抱えてきた「負の感情」に蓋をして、消化出来ていない
という理由があるそうです。
嫌な出来事を無理に早く忘れようとしたり、気になるのに気にしないようにする というのは、一見大人な対応のようですが、
その場を誤魔化して抑圧してきた感情は決して無くなることはなく、心の奥底に澱ように溜まっていき、時間が経てば経つほど腐って悪化していくように感じます。
課長と私には共通の知人がおり、決して仲が悪かったわけではありませんでした。
当時の私は、その共通の知人の顔を立てるために「仲良くしなきゃ、穏便に済ませなくては…」と思ってしまっていたのです。
嫌なことをされて無理に我慢する必要は無いですし、表面的に仲は良かったとしても、いじめを先導するような人との関係を大切にする必要は無いと、今ははっきりとそう思います。
どんな大義があれば給料を渡さなくても良い という考えになるのでしょうか。
自分の気持ちを否定せずに、変に取り繕う必要はなかったのです。
ノートに書き出して気持ちを整理
今も続けているのですが、毎朝思ったことをノートに書き出す作業をしています。
イジメられて辞めた直後はどうしてもその内容を書いてしまい、
書いている間涙が止まらなかった事もありましたが、今は全然平気になりました。
気持ちを吐き出すことはとても大切なようです。
ネガティブな心の澱を溜め込まないためには、自分の感情を否定しないこと、良いか悪いかの判断もしないこと が良いのでは無いかと思います。
正義は立場が変われば簡単に入れ替わりますよね。
大変な業務を一人で抱え込んで、課長にもいろいろな事情があったのだと思い、同情する部分と力になれなかった後悔はありますが、
どんな事情があっても嫌がらせをして良い理由にはならないはずです。
もう5年も前のことですが、思い出に昇華させるのに時間がかかってしまいました。
自分の迂闊な言動を反省するのと同時に、イジメが心に与える傷は大きいということを改めて感じました。
どんな事情があっても絶対にいじめはしないと心に誓っています。
いじめをしないといけない事情なんて、この世に存在するのかは知りませんが。